『狸Bar』 (1)
2005年 10月 07日
僕は電車に揺られている。時間は夕方の18時ころ。空席はないためドアのところに寄りかかって、窓の外を眺めるともなく眺めている。いつもと何ら変わらぬ日常の一部のはずなのだが、先程から言い知れぬ違和感が体中を支配している。そんなに大きなものではない。だが、見過ごすことの出来るほど小さいものでもない。
きっと今乗っている電車は山手線だ。でもこれはあの山手線ではない。何かがずれているのだ。気になって周りの乗客に確認しようにも、誰からも違和感を感じている様子は見てとれない。きっと彼らにとってはこの電車は日常の一部であり、僕だけがよそ者なのだ。そんな事をぼんやり考えていると、突然電車はある駅で停車した。無意識にホームに目を向けると、駅名を表す看板にはこう記されている。
「土谷駅」
一瞬にして僕は混乱の渦に巻き込まれる。土谷駅?聞いたこともない。山手線にそんな停車駅はないはずだ。気になってドアの上にある路線図を見てみると、普段慣れ親しんでいる、新宿や高田馬場といった駅名が一つもないことに改めて気付く。先程まで感じていた違和感の正体はこれだったのだ。僕の混乱をよそにドアは静かに閉まり、また電車は音を立てて走り出す。
【次回へ続く(たぶん)】
「何のこっちゃ」と思われる方もいるでしょうから一応言っておくと、これは以前のブログで少しだけ書いた、インドネシアのジョグジャカルタで見た狸Barという夢の話です。「他人の夢の話ほどつまらないものはない」とはよく言われる言葉ですが、今だに印象に残っているので、折角だから書いてみようと思ったわけです。
ちなみにこの夢の続きは、本当に下らないしつまらないし何の教訓も得ることは出来ないし時間の無駄です(笑)。ですから、期待をせずにいてくださ~い。
by aciktim
| 2005-10-07 22:41
| -不思議な夢の話