『奇妙な仕事』 大江健三郎
2005年 07月 04日
降っては止み、止んでは降る雨に困らされた一日でしたね。
今日は大学で大江健三郎氏の著書『見るまえに飛べ』を借りてきて、さっそく彼が東京大学在学中に執筆した作品、『奇妙な仕事』を読んでみました。
今までなぜか大江健三郎氏の小説を読んだ事がなかったのですが、(別に避けていたわけではなくて、たまたま機会が無かったということ)これを読んで後悔しました。「もっと早く読んでおけばよかったなぁ」と。
この本の内容はタイトルにある通り、「奇妙な仕事(=犬を殺す仕事)」を補助する「僕」を含む3人のアルバイトの学生と、棒と刃物で犬を実際に殺す「犬殺し」、事務員らを描いた20ページの短編です。詳細はこれから読む方のために書きませんが、印象に残った言葉を一つ。
「犬は殺されてぶっ倒れ、皮を剥がれる。僕らは殺されても歩きまわる。しかし、皮は剥がれている。」
完全に理解したとは言えませんが、言いたいことの雰囲気は掴めたと思います。おそらく、我々人間は「伝統的な文化の泥にまみれて」いる。だから、消耗して神経をすり減らして毎日を送っていかねばならない。そのように日常を送っていると、「皮」という「象徴(個性)」は必要不可欠なものではなくなり、いつの間にかどこかに棄ててきてしまっているのだ、それはおそらく本人も気付かないうちに。
誤った解釈かもしれませんが、僕はこう読みました。多少傲慢な言い方ですが、小説の解釈なんて自由ですもんね。これから僕自身はやや忙しくなりますが、断続的に大江健三郎氏の著書は読んでいきたいと思います。終わり。
今日は大学で大江健三郎氏の著書『見るまえに飛べ』を借りてきて、さっそく彼が東京大学在学中に執筆した作品、『奇妙な仕事』を読んでみました。
今までなぜか大江健三郎氏の小説を読んだ事がなかったのですが、(別に避けていたわけではなくて、たまたま機会が無かったということ)これを読んで後悔しました。「もっと早く読んでおけばよかったなぁ」と。
この本の内容はタイトルにある通り、「奇妙な仕事(=犬を殺す仕事)」を補助する「僕」を含む3人のアルバイトの学生と、棒と刃物で犬を実際に殺す「犬殺し」、事務員らを描いた20ページの短編です。詳細はこれから読む方のために書きませんが、印象に残った言葉を一つ。
「犬は殺されてぶっ倒れ、皮を剥がれる。僕らは殺されても歩きまわる。しかし、皮は剥がれている。」
完全に理解したとは言えませんが、言いたいことの雰囲気は掴めたと思います。おそらく、我々人間は「伝統的な文化の泥にまみれて」いる。だから、消耗して神経をすり減らして毎日を送っていかねばならない。そのように日常を送っていると、「皮」という「象徴(個性)」は必要不可欠なものではなくなり、いつの間にかどこかに棄ててきてしまっているのだ、それはおそらく本人も気付かないうちに。
誤った解釈かもしれませんが、僕はこう読みました。多少傲慢な言い方ですが、小説の解釈なんて自由ですもんね。これから僕自身はやや忙しくなりますが、断続的に大江健三郎氏の著書は読んでいきたいと思います。終わり。
by aciktim
| 2005-07-04 23:59
| -本