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アジア中東旅行・日常生活などに関する手記であります。今は資金集めのために、日本で充電してます。


by aciktim
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中国紀行(7) ‐ 広州 in Aug 2002

 激しい揺れに目を覚ます。朦朧とした頭で3秒ほど状況を把握しようと努め、今電車に乗っていることに気付く。時計に恐る恐る目をやるとまだ5時。やれやれ、今日は長いなぁ・・。

 早速MDプレイヤーでLos van vanを聴く。こういう時は気分がよくなるような曲を聴いて、ポジティブシンキングに持ち込むのだ。中国人の朝は早い、6時頃になると周りの乗客も目を覚まし始める。それを見計らったように、物売りが車両にやってくる。みなさんカップラーメンを買っているので僕もまねして買う。。「康師傅」という中国でも有名なメーカーのもの。折りたたみフォークも入っていて便利。「電車の中でお湯はどうするのか?」と疑問に思われる方もいるかもしれないがそこは中国。列車には必ずといっていいほど、熱湯がでる蛇口が備え付けられているのだ。僕ものこのことお湯を注ぎに行く。

 戻ってきて席で食べる。辛い調味料を全部入れてしまって、アホみたいに辛い、これは無理。しかし他所の国に来て食べ物を残すのは、僕の海外滞在中のルールにおいてご法度なので我慢して食べる。横の中国人が顔が真っ赤になっても食べ続ける僕を見て笑っている。

 一応中国の硬座の席について説明しておくと、東海道線のボックス席を想像してもらえばいい。それよりもやや広く、6人掛けと4人掛けの席が並んでいる。僕は6人掛けの通路側に座っていた。これはどういうことかというと色々な人が座りに来る、ということ。まぁ長い移動だし立ちっぱなしはきついだろう、と思って座っていいよ、なんて言っていると、いつの間にか8人掛けになっている(向かいの中国人も座らせていた)、なんてことがよくある。周りを見渡して見ると、意外と中国人も優しく(失礼)どこも8人掛けになっていた。

 さて、そんなわけで僕以外の7人は皆中国人だった。隣の席の若い男性は上海の大学に通っていて、夏休みだから地元の広州に帰るとのこと。彼は英語が少し話せたので、早速広東語を教えていただくことに。しかし教わり始めていると、あまりにも普通語(北京語)と違う事実に愕然とする。ニイハオも違うし(レィホウになる)、1~10も全く違う。そこで熱心に聴いているふりをして適当に頷いておいた。張くんごめんなさい。

 さらに少し話していると、張くんはどうやらゲーマー(って今も言いますよね?)らしいことがおぼろげながら分かってくる。それに対して僕はゲームを一切やらない人間。そんな二人の話が膨らむわけはない。張くんも僕がゲームに関する知識がほぼ皆無なことに気付いて、途中からゲームボーイをやりだしてしまった。

 11時になると突然電車が止まる。外を見ると駅はおろか何もない。そこに何やら中国語のアナウンスが流れる。周りの中国人がそれを聞いて口々に何か言っている。決して楽しそうな口調ではないことくらいなら僕にだって分かる。まさか・・・まさかねぇ・・・。

 意を決して張くんに何をアナウンスしていたのかを聞いてみる。張くん曰く、「昨日の大雨のため、線路を通れない状況。だからこれから数時間停まる」とのこと。何時間くらい?と聞いてみると、分からんとの答え。いやはや参った。しかしジタバタしても仕方がないので、三浦綾子さんの『塩狩峠』を読み始める。

 結局電車が再び動き始めたのは16時。やれやれですね。当然20時に着くわけもなくその日も電車で一泊するはめに。横の張くんに何時ころ着くか聞いてみると(具体的な時間が知りたくなるんですよね)、「分からない、多分明日中には着くんじゃない?」と一蹴される。この辺の鷹揚さは僕も見習いたいです。

 このようにして一日終わり。床にもたくさん人が寝ている中(僕の座っているイスの下のスペースでも寝ていた)、22時ころ眠りにつく。ここまでの乗車時間26時間。
by aciktim | 2005-07-12 20:59 |  -中国 China