アジア中東旅行・日常生活などに関する手記であります。今は資金集めのために、日本で充電してます。


by aciktim
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バリ紀行9 アグン山 山の神は恐かった

 外は満天の星。このような星の群れを見るのは初めてで、これを見ることが出来ただけでも登山に挑戦した価値があるというもの。0:00、登山開始。

 アグン山登山にはブサキ寺院から目指すルートと、パサールアグン寺から目指すルートの二つがある。代理店で聞いた話だと、ブサキ寺院から行くと6時間で頂上まで行くことが出来て、パサールアグン寺から登ると3時間半で頂上に近いところ?まで登ることが出来るとのこと。我々は日頃の運動不足を棚に上げ、何とかなるだろうとブサキ寺院から目指すことにした。ブサキ寺院の標高は約900M。目指す頂上までは2200Mの道のり。

 ブサキ寺院から100Mくらい上がったところにある寺に到着する。これより上に寺は無いということで、ここで祈りを捧げることに。アグン山はバリ島の中では神として崇められているので、寺で山の神に登山許可をいただかなくてはならないのだ。花と米を神に捧げ、3人並んで熱心に祈る。これでいよいよ本格的に登山開始だ。

 山中はもちろん真っ暗のため、懐中電灯で足場をしっかり見て登らないと非常に危険である。基本的に登山用の山ではないため、柵などはもちろん無いのだ。足場に気をつけながら山中を登ること20分余り、砂利にずるずる滑る我々を見てガイドのカキさんがその辺の木を切り取って杖を作ってくれる。ありがとうカキさん。またぐいぐいと登っていく。

 1:00ころに最初の休憩。タバコを吸ったり水を飲んだりして疲れをとる。ネズミがチューチュー鳴いている。10分もすると汗が冷えてきたため、また出発する。

 この辺りから勾配がきつい箇所が続き、4本の手足をフル稼働させて登る。ここまでは3人共ほぼ同じペースで登っていたのだが、1:30ころから同行者のペースが落ちる。無理もない、彼女はその日生理だったのだ。ゼイゼイ言う彼女のペースに合わせながら、休憩を挟んでひたすら登る。
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 何とか登ることが出来る道を進むこと4時間半、ついに森林地帯を出る。この時点で約2100M。気温も下がってきたため、リュックからトレーナーを出して着る。するとカキさんがその辺の木を集めてきてくれて、焚き火をしてくれることに。冷えた身体には何より暖かいプレゼントだ。燃え盛る火を見ながら気合いを入れ直す。ここから先は岩場を登っていくのだ。

 ガイドのカキさん曰く、アグン山には便宜上3つの頂上が存在するとのこと。一つ目は約2600Mの地点で、二つ目は約2900Mの地点、そして頂上の3100M地点。

 5:00、岩場を登り始める。今までよりも勾配が激しいが、滑る要素が無いため登りやすい。ゆったりと1時間くらい登り、一つ目の頂上(2600M)に到着。空はうっすらと明るくなってきて、懐中電灯がいらなくなる。よしよし。

 さらに激しい勾配を30分くらい登って休憩している(2800M)と突然悲劇が起こる。彼女が「寒い」と言った途端に痙攣しだしたのだ。カキさんがその様子をみて、急いでバナナの葉にくるんだ花と米を出して祈り始める。とりあえず僕も一緒に祈ってから、彼女に無理矢理水を飲ませる。しかし彼女は痙攣したままだ。カキさんはこのような事態は想定していなかったらしく、救急道具を持っていないらしい。仕方なくさらにビスケットなどを食べさせていると、山の上からヒーローが降りてくる。(この時は本当にヒーローに見えたなぁ)ドイツ人の登山グループだ。
 
 彼らに事情を説明すると、彼らについているガイドさんが体を暖めるオイルを持っているとのことで急いで塗ってもらう。そのオイルの効果はすさまじく、あっという間に彼女が意識を取り戻す。もう大丈夫だ。よかったよかった。いやはや、本当によかった。

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 当然これ以上登る事は危険と判断し、焚き火でコーヒーを沸かして飲み、その辺の写真をパチパチ撮ってから下山開始。登る時からうすうす気が付いてはいたが、冷静になって改めて回りを見ると、果てしなく恐い。こんなもん転んだら即死ではないか(稀に本当に死者が出るらしい)。高所恐怖症の僕としては泣きそうになりなるが、ここにいても仕方ないので何とか降りる。
                 
         こんな感じです。もう嫌でしょう(笑)→

 
 下りはなかなか楽しい、なんて思っていたのは岩場を降りていたときだけ。森林地帯に入った途端、足の裏の筋肉がすぐに痛くなる。なんて情けないんだ我が足よ。日頃の運動不足を呪いながら降りること5時間、ブサキ寺院到着。

 ガイドのカキさんに礼を言い、用意してあった車に乗り込む。疲労困憊のためすぐに眠りこけ、起きたらウブドであった。何はともあれビールビール、と叫びつつ近くの商店でビールとお菓子を買って飲む。登頂が出来なかった悔しさと、何はともあれ無事に帰って来ることが出来た充実感とが交じり合って複雑な味。17時過ぎにちょっと寝るつもりが、翌日の朝まで寝てしまった。

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 追記:それにしても彼女が痙攣したときのガイドのカキさんの対応(マッサージをするとか水を飲ますとかではなくて、真っ先に祈りをした)が印象的だった。あの時は神を感じました。

 追記2:後で聞くと、彼女は登山中のきついとき、心の中でアグン山を冒涜していたらしい。これでバチがあたったのかな?バカですね(笑)。

 追記3:後でバリ関係の本を読んでいたら、ブサキ寺院には生理中の女性は入ってはいけない、という文章があった。むむむ。 



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←アグン山から見た朝日





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←地上に映るアグン山の影





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←アグン山の岩場








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←ブサキ寺院



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←アグン山から望むバトゥール山
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by aciktim | 2005-09-24 15:50 |  -印度尼西亞 Indonesia